2012
1月



何て勉強になるテキストサイト 

2012/1/31

 先日「アンダーラインの引かれた太字」 にマウスを置くと注釈が表示されるようにしました。が、私は大変なことに気づいてしまいました。
 携帯端末だと、注釈、表示されません。
 仕方ないので、今後は従来どおり文末にも脚注を用意しておくことにします。


 ところで、「文末に脚注」 というのは重複表現ですね。「頭痛が痛い」 とか「猫がかわいい」 というようなものです。私の日本語の扱いもまだまだです。
 そんなことを友人のAに話すと、彼は怪訝な顔で「『猫がかわいい』は重複じゃなくね……?」 と呟きました。

 何を愚かな!
 猫がかわいいのは当然のことであり、世の真理であり節理です。聖書にもコーランにも猫は常に万物より愛らしく愛すべき神の使いだと記されています。
「猫」という名詞に「かわいい」という含意があることは、かのシソーラス類語辞典少尉、広辞苑中将や大辞林元帥閣下 もご存知です。

 つまり「猫がかわいい」は「かわいいはかわいい」と言っているようなものです。同じ理由で「かわいくない猫」というものも存在しないため、これも誤った表現です。せいぜい 「盲亀浮木」 や「空飛ぶ豚」のようにありえないこと・極めて実現しがたいことを意味する慣用的役割が関の山でしょう。
 気をつけるように。

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※頭痛が痛い
 代表的重複表現。「頭痛が気持ちイイ」とかなら文法的には間違いではありません。が、何かもっと別のところで間違ってる気がします。
※猫がかわいい
 かわいい。
※辞典三銃士
 ほとんどの日本語が載っているえらい辞典様。いつもお世話になってますが、シソーラスはともかく大辞林さえ同世代にはあまり浸透していないようなのが驚き。
※盲亀浮木
 大海に棲み百年に一度だけ水面に浮かび上がる盲目の亀が、漂っている浮木のたった一つの穴に入ろうとするが、容易に入ることができないという寓話によるそうです。漢検準1級に出ます。



忙殺 

2012/1/27

「お前はウソばかり吐く」とサイトを見てくれてる友人から怒られました。
 意味が分かりません。虚偽は最も唾棄すべき行為です。そんなことを私は決してしていません。私はただ、事実をちょっとだけドラマティックに演出しているだけだというのに!



 ここのところずっとPS3ゲーム 「トトリのアトリエ」 をプレイしていました。
 やりこみだすと果てがない上、一週のボリュームがなかなかという時間殺しなゲームです。
 しかし私には26日までに何としてもクリアしなければいけない理由がありました。

 そう、26日は 「ACV」 の発売日です。
 ACVはオンラインに特化したゲームのため、最初に出遅れればそれだけ他人との差が生まれます。それを後から取り返すには、並々ならぬ努力が必要となるでしょう。
 しかし私はつい先日やり遂げました。そう、とうとう「トトリ」のラスボスを打ち倒したのです!

 平和が訪れる砂丘。沸き立つ鳥取県民。
 私は意気揚々とACVの封を開けました。ある程度ACVの腕を上げたら、買ったまま全くプレイしていない 「ワンダと巨像」 を遊びましょう。同じく積んである 「アマガミ」 や三島由紀夫の 「不道徳教育講座」 を平行して楽しむ用意だってできています。私のゲーム・読書スケジュールは常に最大効率を発揮できるよう計画立てられており、そこには一抹の狂いも許されないのです。

 羽が生えたかのような足取りでリビングへ向かう私は、しかし宅急便の到着に呼び止められました。
 着いたのはゲームハード「XBOX360」 の箱と、そのディスク三枚。送り主は……私が内定を頂いたTVゲーム開発会社です。
 ……同封された手紙を恐る恐る開くと、次の文が目に飛び込んできました。
『以前に申し上げた通り、入社までにプレイして頂くゲームソフトをお送り致しました。つきましては、2月14日までにこれらのプレイレポートを提出して頂けるよう……』

 うわあああああああああああああああああああああああ

サムイサムイ病 

2012/1/24

 ここのところ更新が滞っていましたが(※1)、それには深刻な理由があるのです。

 ここ数日、関東には雪が降りました。
 関東人にとっての雪とはまさにブルームーン。滅多にあることではありません。珍しいことは希少なことで、希少なことは良いことですが、それゆえに思いもよらぬ問題が起こることもあります。

 昨日の朝のことです。
 ベッドから身体を起こした私は、床に降りるなりツルッと滑って尻餅をつきました。そう、あまりの寒波にフローリングの床が凍っていたのです。
 窓を開けると外は一面雪景色。私ははしゃぎながら、早速このことをHPに綴ろうとPCのスイッチを押しましたが、PCはウンともスンと言いません。何度か連打を繰り返した後、ふとPCの表面に霜が降りていることに気がつきました。
 これではサイトの更新ができません。

「これはえらいことだぞ」

 この調子ではリビングにはペンギンがいるかもしれません。乙女の美肌のごとくツルッツルな階段を慎重に下り、私はリビングへ繋がるフスマを開けました。
(なお、このフスマも凍り付いており開けるのに難儀しました)
 リビングには新聞を眺めている母がいました。私は母に今の窮状を訴えましたが、やがて違和感を覚えました。
 母が微動だにしないのです。顔を上げることはもちろん、瞬きの1つすら。
 ――そう、まるで氷像のように。(※2)

「……まさか。そんな、母さん」
 
 目の裏側に酸味のある刺激。喉の奥で獣の唸りじみた声がくぐもりました。
 遅れて、私は部屋の中が妙に静かなことに気がつきました。いえ、室内だけではありません。いつもはこの時間なら食卓を楽しませてくれるはずの、小鳥のさえずりすら今日に限っては聞こえません。

 幸いにして、石油で動くストーブは凍り付いていませんでした。電源を入れ、温風が出てくるのを確かめると、私は分厚いコートを着込みました。少し前まで吹雪いていた外も、今は一時的に止んでいます。外に出るなら今しかありません。
 膝をついている暇はないのです。石油ストーブの燃料が切れて凍える前に、何とか新しく手に入れなければなりません。 
 人類はかつてあの恐竜ですら乗り越えられなかった氷河期を、見事耐え抜いてみせたのです。偉大なる祖先にできて、我々文明人にそれができぬ道理はありません。

 ――コンビニに行けばカイロがあります。湖が凍っても穴を掘れば釣りができます。冷凍みかんはおいしいです。
 そう自分に言い聞かせると、大分やる気が沸いてきました。
「よしっ」と気合を入れると、私は外へ繋がる扉を押し開けました。
 パリパリと氷が砕ける音。そして差し込む光。純白のみに彩られた景観が、灰色の雲間から覗く僅かな陽光を受けて輝いています。
 まるでその光景は、新時代に踏み込まんとする人類を迎えるかのようでした。
 

(※1)といってもこのサイトの平均更新ペースは5日に1回ほどなので、言うほど滞ってないです。
(※2)なお帰ってみると母は解凍され、普通にお茶をすすってました。ストーブをつけっぱなしにして外に出るなと怒られました。そういえばストーブを消した描写がありません……。



ヘッドマウントディスプレイ 

2012/1/18

 と、いうものがあります。
 メカバイザーみたいなもので、TV画面を独占できるという未来のマシーンです。

 先日もみじまんじゅうに釣られ町田の友人宅に訪れたときのことです。トランスフォーマーを見終えると、唐突に友人は件のバイザーを被りました。

「お前、コレをつけたところが見たいって言っていただろう。どうだい、感想は」
「バーチャルボーイのようだ」(※1)
「ありがとう」

 そのまま友人はPS3とバイザーを繋げ「機動戦士ガンダムEXTREME VS」 を始めました。
 こうなると私は暇です。暇なので、見えてないのをいいことに友人の正面で中指を立ててみたりします。

「やめろ」

 心臓が跳ねました。
 まさか見えているはずはありません。足音を立てないようにして私は彼の背後へ回り込みました。驚かせてくれたお礼に、少しこづいてやりましょう。

「後ろにいるな」

 ヒィ。

「そして俺を狙っている」

 心の中まで!

「うおおおおおおお!!」

 突然友人は叫ぶと、握ったコントローラーを目も止まらぬスピードで操作し始めました。その速度、韋駄天もかくや。ヘッドマウントディスプレイからビームライフルやらランチャーやらの音が入り乱れ、漏れました。
 しばらくした後、彼はディスプレイを脱ぎ「なかなか強敵だったな」と肩を揺らしていました。どうやら辛勝したようです。

 しかし、私は今でも疑っています。
 本当は、彼は私の企みに気づいていたのではないでしょうか。
 しかしそのことを露わにすれば、私が友人を気味悪がるかもしれない。そう思ったのかもしれません。これは噂ですが、実際、過去に彼は唐突ともいえるタイミングで親友から一方的に縁を切られたことがあるそうです。 (※2)
 今となっては判然としないことであり、そしてどうでもいいことです。彼が何者であっても私にとって彼は私の友人に違いないのですから。
 私は曖昧な笑みを浮かべて、彼を称えるようにその分厚い肩を叩きました。

「このニュータイプめ」
「そうとも。知らなかったのか?」


(※1)誉めてない。
(※2)友人の後輩の、その後輩の友人の隣にたまたまいた男から聞いた夢を見ました。



カウンター 

2012/1/12

 実はこのサイト、ページ最下部にはこっそりカウンターが設置されてます。

 毎日見てみては、どれだけ進んでいるのか確認するのが日課です。
 サイトを建ててから半月ほどは全く宣伝していなかった(今も似たようなものですが)にも関わらず、毎日少しずつカウンターが回っていくのを見て、私はほのかな満足感を覚えていたものです。

 あるとき、ふと「一日平均どれくらい回っているのだろう」と疑問に覚え、計算してみたことがあります。日が変わると同じ人でもカウントするため、それも考慮に入れたいですね。
 さて、サイトの開設は12月17日。計算日は12月25日です。それまでの累計は「9人」なので……

 1日あたり……1人…………。

 全部私じゃん! 
 私しかカウンター回してないじゃん!
 1人で更新して1人でカウンター回してるだけじゃん!!!!

 私という個人のみで完結したテキストサイト。
 地下室で1人孤独に毒の濃度を高めているかのようなこのサイトのカウンターも、アンテナサイト(※1)に登録などしたおかげで現在は50人を超えています。
 何と、数字にして約5倍以上!
 5倍といえば凄まじい数字です。中国ではたった15日で建てた30階建てビルディングは従来の5倍の耐震強度を持つことを考えると、そのすごさが分かります。中国には8ヶ月でいたるところが陥没した道路がありますが、この計算なら2年以上も保つことになります。すごいですね!!!!


(※1)【アンテナサイト】駄文同盟さま。すさまじい数のサイトが日々登録されているため、果たして効果がどれほどあったのかは不明。



町田に行きました 

2012/1/10

「もみじ饅頭余りすぎてヤバイから、食いに来て」
 町田(※1)に住む友人からの誘いはいつも唐突です。私の家からだと町田へは一時間以上はかかるため、道中の電車がそれはもうヒマでした。
 あまりにヒマすぎて、町田まで行く過程をツイッター(※2)にメモライズしてしまうほどでした。
 以下はその内容です。
----------------
(1)
 思えば、新宿で生まれ渋谷の大学に通い、実家を池袋と銀座に持つシティボーイたる私は町田なんて田舎に行くのは久しぶりです。

 あそこ、まだ人住んでるんでしょうか。一抹の不安を胸に携帯テントをバッグに詰めた後、私は少し考えてから大振りのナイフを手に取りました。
さあ、出発です!

(2)
 幸い町田までは電車が通っています。これに乗っていけば、少なくとも途中で熊に襲われることはないでしょう。
 無人駅の利用方法をウェブで調べる私を乗せ、電車は軋みをあげながらゆっくりと走り始めました。

(3)
 町田に降り立った私は呆然と立ち尽くしました。田畑は焼け、石畳は剥げ、音は死んでいました。
 遠くからいくつもの煙が立ち昇っています。あの方向には人家があるはずです。
 私の不安を溶かし込んだように黒い煙。その下にあるものを想像しないようにしながら、私は友人宅の方へと足を踏み出しました。

(4)
 ようやく見つけた友人宅は荒れ果て、かろうじて家だと分かる輪郭が残っているのみでした。
 恐る恐る家へ踏み込む私を、聞き覚えのある男の声が迎えました。
「お前なのか……? まさか、生きて会えるなんて」
 髭は筆のように伸び、垢まみれのボロを身に纏う男は、しかし紛れもない私の友人でした。

(5)
「何があったんだ」と問うと、友人はしばし迷う素振りを見せた後、ゆっくりと口を開きました。
 水分の枯れ果てた喉から絞り出された声は、哀れを催すほど弱々しいものです。しかしその矢のような一言は、私の耳朶を貫くのに充分な威力を持っていました。
「戦争だよ」
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 と大変イイトコロに関わらず申し訳ないのですが、このツイートをした直後に現実の私が本当の町田に着いたため、この先は書いておりません。
 結果から申し上げると、もみじ饅頭は大変おいしゅうございました。食べながら観た「トランスフォーマー」は非常に大味な作りでしたが、変形するロボたちがとてもかっこよかったです。(※3)


(※1)【町田】一応都内。実際はなかなか賑わってます。何故かアニメショップが多い。
(※2)【ツイッター】@kosyotenin
(※3)【かっこよかったです】私は作品を褒めるときこの言葉しか使わない。



行間を空けました 

2012/1/6

 このサイトのテキストは読みづらいなあ、テキストサイト(※1)なのに。

 常々そう思っていたのですが、とうとう原因が分かりました。行間です。行間が悪かったのです。
 というわけで、全てのページの行間を空けました。これでどんな難解な文章でも、まるで砂漠が水を吸うように頭に入れることができるはずです。
 じゅげむじゅげむ だろうが、ふんぐるいむぐるうなふくとぅるうるるいえうがふなぐるふたぐん だろうが、ホラこの通り! 一瞬で意味が分かりますね!!

 良い機会だったので、「作文」ページを更新しました。「古書店遊戯」と「ハイブリッド・ドラゴン 」が追加されています。

更に勢いで妙なものを作ってしまった。

(※1)そうなんです。ブログが隆盛を誇るこのご時勢にも関わらず。



あけました 

2011/12/32

 31日は友人(男)の家で、友人三人(男)とずっとドミニオン(※1)をしてました。

 サムイサムイ病(※2)をわずらう私は外へ出る気はまったくなかったのですが、その後は友人のA君らに無理やり連れられて初詣に行くことに。
 行きかう人々でにぎわう神社は毎年変わらない光景のままでした。皆についていっていると、ふと私は周りに友人が誰もいないことに気づきました。どうやらはぐれてしまったようです。

 あまり知らない道をあてなく進んでいると、妙に人気が少ない場所に出ました。
 遠くに櫓台のようなものがあって、その上で誰か若い男が叫んでいました。
 あれは何だろうな、と遠目に眺めていると、いつの間にやら後ろから肩を叩かれました。振り向くと、そこにいたのはA君でした。

「何だ、お前もここのことを知っていたのか」
「A君? あれは……」
「あれは年神様さ。要するに……まあ見ていれば分かるか。見ろよ、始まるぜ」

  A君が示した方に目を向けると、先ほどの大学生くらいの若者が拳を天へと突き出すのが見えました。

「皆ー! 今年に悔いはないかー!?」
  「「あるともー!」」
「宵越しの金は? 2011年の抱負は達成したか? 幸せな思い出はどうだい?」
  「「無!」」
  「「其れ即ち皆無!」」
  「「悉く無也!」」
「寂しい奴らめ俺もだぜ! 2012年なんてものは他の連中が勝手に決めた法律だ! 俺の! 俺たちの中じゃ! まだ消化しきれてない今年がくすぶっているはずだぜ!」
  「「是! 是! 是!」」
「2012年は来ない! 永遠にな! そこのあんた、やり残したことは?」

 と水を向けられたのは、私の隣のA君でした。彼の喉からほとばしったそれは、悲痛な叫びでした。

「オレは2012年初頭が締め切りの卒業論文をまだ1字も書いてない!」
「いいだろう! まだまだ猶予はたくさんある! 隣のあんたは?」

 と今度は私。熱気にあてられ私も一緒に絶叫します。

「2011年中に今書いてる原稿を完成させたかった!」
「OKOKゆっくり書きな!」
「私は彼氏が!」「まだぼくの就活は終わってません!」「身長が170欲しい!」

 その全てを年神様と呼ばれた青年は全肯定していきました。
 その後、集会はどこからともなく来た警察によって解散させられてしまいました。
 しかし別れる我々の瞳に以前のような淀みはすでになく、その深奥には希望に輝く光が湛えられているのみでした。

 よいお年を!

(※1)ドイツ発祥の非電源ゲーム。私はデッキ圧縮戦術が好き。
(※2)外に出ると寒くなって、何もしたくなくなる不治の病。



クリスマス 

2011/12/25

 です。
 
 クリスマスイブはクリスマスの前日なのか後日なのか長い間分かっていませんでしたが、先日ようやく前日のことなのだと覚えました。(※1)

 結論から申し上げると、非常に充実したイブでした。

 友人と行ったカラオケではひとり「沖縄へ行こう(※2)を熱唱し、同時に実施したビンゴ大会では私のみ早々に五重のビンゴを成し遂げ、そのカラオケで運試しに買った一番くじ(※3)では見事一発でB賞「暁美ほむらフィギュア」を入手。
 更にはその後に行ったゲームセンターでは、ゲーム「ボーダーブレイク」(※4)で異様な快進撃を成し遂げました。

 今年のイブはすごかった。サンタさんありがとう。






 あ、あと「作文」コーナーの古書店シリーズをこっそり更新しました。これでpixiv会員でない人でも見られます。

(※1)実話。
(※2)「ちゅらら」の名曲。ひたすら「沖縄へ行こう」と連呼する。
(※3)コンビニなどで実施している、人気アニメのグッズが当たるくじ。一回800円。
(※4)セガのアーケードゲーム。10vs10で対戦するロボットアクション。30分600円。


 

二日坊主

2011/12/20

 サイト開設三日目にして更新サボりました。
 三日坊主にすら到達していません。二日坊主です。


 いえ、もともと毎日更新すると決めていたわけじゃないですけど。
 ところで三日坊主という言葉の典拠を皆様はご存知でしょうか?
 私、知らなかったのでちょっと調べました。


 元は室町ごろの故事だそうで、あるところに「三賢」と呼ばれる三人のお坊さんが1つのお寺にいたというところから話は始まります。

 一人目のお坊さんは非常に義に厚い人で、寺に訪れた物乞いに自らの衣服すら差し出す献身ぶりを見せ、人々に慕われていました。
 二人目のお坊さんはとても博識で、識字すらできない衆人に学問を教授して回ったことから周囲に頼りにされていました。
 三人目のお坊さんはそれは1に金、2に金の生臭坊主でしたが、とかく金を稼ぐ術には長けており、寺の運営に誰よりも貢献していたそうです。

 しかしある日、かねてから積み重なっていた互いの不和が爆発。三人のお坊さんは別離し、それぞれ町の隅に自分の寺を建てました。

 ――崩壊は瞬きする間に訪れました。

 まず一日目、次から次へ訪れる人に寺の金品から自分の所有物まで全て差し出した「義に厚いお坊さん」の寺は、あっさり立ち行かなくなってしまいました。

 二日目、今までどおり学問を教えて回っていた「博識なお坊さん」は、しかし突如として「学問しても飯は食えん」と人々に拒まれるようになりました。彼はそのとき「義に厚いお坊さん」が人々のため真摯に学問の重要性を説いて回っていたことを悟りますが、後の祭りでした。

 三日目。金満主義の生臭坊主を止める者はもはやどこにも存在せず、あまりに金銭を追い求めた彼の寺は気づけば利潤を目的とする結社と化していました。

 そう、彼らは自分たちのとがった個性がパズルのピースのようにはまり、大きな力となっていたことには気づいていなかったのです!
 元は「隣人を許容せよ」という教訓の話だったそうですが、歴史の波にもまれる間に意味は転じ、現在の「三日もすることが続かぬ根性なし」という意味になったそうです。ウソです。(※1)
 

(※1)結局本当の典拠は不明でした。誰か教えてください。



年末書店内戦争

2011/12/18

 私、新古書店でアルバイトしています。

 新古書店はこの年末の時期になると、恐ろしい事象に見舞われます。
 ――そう、「年末の大掃除」(※1)です。

 様々な家庭から大掃除の一環で運び込まれる本の束。紙袋に入っていればまだいい方で、場合によってはダンボール箱が8箱という途方もない量が持ち込まれることもままあります。
 こうなると書店内はもはや戦場の体をなします。

「ダンボール10箱追加でーす!」と響く声に、それに対する「今10件の買取待待ちあるから、2時間くらい待たせろ!」と轟く怒声。(※2)

 数百冊を平行して査定しているとそもそも査定のためのスペース確保自体が困難となるため、書店員間の熾烈なスペース争いが始まります。ダンボール箱から本を出しながら、隣り合う書店員は肩を執拗にぶつけ合い、時には店長からは見えない位置でのヒジ打ちまでもが飛び出します。

 書店員は体力がない順に脱落していき、書店の中は力尽きた書店員が床を死屍累々と埋めていきます。
 エプロンは返り血で汚れ、倒れた男の胸に顔を埋めた女性は泣き咽び、大辞林と広辞苑で殴りあう書店員を囲んで一部の客が賭けを始めます。

 時は年末。
 この記事をご覧のお客様には是非、早めにしろ遅めにしろ少し時期をずらして当店をご利用頂けると幸いです。マジで。


(※1)通称「年の瀬の嵐」「年末買取爆発」。
(※2)実話。



 
テストです

2011/12/17

 テスト投稿です。

 テストということは、本番ではないという意味です。つまり何をしてもいいのです!
 たとえば超大人気テキストサイトさんの人気記事からテキトーに選んだものを、あらかも私が書いたかのようにココに載せてもいいわけです。
 また、テキストサイトと称しておきながら大人気イラストレーターが描いたアーティスティックな絵を「マウス画ですが……」と文を添えてUPしてもいいし、サッカーで小野選手(※1)が華麗なロングシュートを決めたyoutubeの動画を「小学校に上がった息子の初めての試合です」 という記事と一緒に挙げてもいいはずです。

 無限の可能性です。明日に希望が持てます。

 

(※1)筆者は彼と川口選手しかサッカー選手を知らない。

























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